物件情報を見たり、大家さんや管理会社にそれっぽいことを言われ、
「どうやらうちのアパートはフレッツ光対応らしい」
ということはわかったものの、
「そのフレッツ光でネットするには、どうすればいいの?」
「そもそもフレッツ光対応って何?」
と困っている方は多いのではないでしょうか。
本記事では、そういった方へ向けて、「フレッツ光対応」についての解説と、フレッツ光対応アパートでインターネットをする方法・流れを解説します。
目次
フレッツ光対応とはどういう状況?
そもそも「フレッツ光対応」とはどういうことを言っているのでしょうか?
簡単に言うと、フレッツ光対応とは、フレッツ光の「マンションタイプ」を利用できますよ、ということです。
フレッツ光とは、NTT東日本/NTT西日本が提供してる光回線のことです。
このフレッツ光には、戸建住宅向けに提供される「ファミリータイプ」と、集合住宅向けに提供される「マンションタイプ」の2タイプあります。
両者は、フレッツ光の配線方式に違いがあります。
戸建て向けのファミリータイプは、電柱から直接光回線を引き込みます。
一方、集合住宅向けのマンションタイプは、電柱からいったん建物の共用スペースまで引き込んでおき、そこから契約のあった各戸へ配線するという形になります。
この「いったん共用スペースまで引き込んでおき」の部分がすでに完了していることを、一般的に「フレッツ光に対応している」とか「フレッツ光対応済み」などと言っているわけです。
つまり、フレッツ光対応アパートとは、入居者が「フレッツ光のマンションタイプ」を利用できるアパートであるということです。
すでに建物共用スペースまではフレッツ光が来ているので、あとは、入居者が各自でNTTに申し込み、共用スペースから部屋までの回線工事をしてもらえば、フレッツ光マンションタイプが開通します。
この辺りの申し込みや工事については後ほど解説します。
NTTのサイトで「フレッツ光対応」か確認する方法
※確認済みの方は次の「インターネット開通までに必要なことは?」まで飛ばしてください。
「おそらくフレッツ光対応だけど、今一度確認したい」という方もいるかと思います。
ここでは、アパートのフレッツ光対応状況を、NTT東西の公式サイトで確認する方法を紹介します。
調べたいアパートの住所を入力するだけなのでとても簡単です。
NTTは東日本と西日本に分かれているので、該当する方のサイトから確認しましょう。
NTT東日本 | 北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨、長野 |
---|---|
NTT西日本 | 富山、石川、福井、岐阜、静岡、愛知、三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山、鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄 |
東日本の方
以下の手順で確認できます。
PCで見ている方
- NTT東日本フレッツ光公式サイトへ
- 「提供エリア確認はこちら」という箇所
- 郵便番号を入力するか「地図から確認」をクリック
- 住所を選択していく
- 「戸建て」か「集合住宅」か出てくるので「集合住宅」を選択
- 建物名を選択し判定へ
スマホで見ている方
- NTT東日本フレッツ光公式サイトへ
- 「提供エリアの確認とお申し込み」という箇所へ
- 郵便番号を入力するか「都道府県から確認」をタップ
- 住所を選択していく
- 「戸建て」か「集合住宅」か出てくるので「集合住宅」を選択
- 建物名を選択し判定へ
判定結果を確認しましょう。
フレッツ光の提供エリアであった場合は、利用可能なプランが表示されます。
そのプラン名を見て、
例)フレッツ光ネクスト ギガマンション・スマートタイプ ミニ
例)フレッツ光ネクスト マンションタイプ プラン1
など、プラン名に「マンション」と入っていれば、フレッツ光対応です。集合住宅向けのマンションタイプを提供可能ですよ、ということです。
西日本の方
以下の手順で確認できます。
PCで見ている方
- NTT西日本フレッツ光公式サイトへ
- 「フレッツ光新規申し込みのお手続きはこちら」をクリック
- 「通常のお申し込み」をクリック
- マンション(集合住宅)を選択
- 住所を入力していく
- 建物名を選択
- 「この住所で判定します」をクリック
スマホで見ている方
- NTT西日本フレッツ光公式サイトへ
- 「フレッツ光新規申し込みのお手続きはこちら」をタップ
- 「集合住宅」を選択
- 住所を選択していく
- 建物名を選択
- 「この住所で判定します」をタップ
判定結果を確認しましょう。
フレッツ光の提供エリアであった場合は、利用可能なプランが表示されます。
そのプラン名を見て、
例)フレッツ光ネクスト マンションミニ スーパーハイスピードタイプ 隼
例)フレッツ光ネクスト マンションタイプ(VDSL方式)
など、プラン名に「マンション」と入っていれば、フレッツ光対応です。集合住宅向けのマンションタイプを提供可能ですよ、ということです。
「フレッツ光対応」ということを確認できたら、「インターネットするにはどうするのか」という本題に入っていきましょう。
インターネット開通までに必要なことは?
フレッツ光対応のアパートでインターネットするには、NTT東西およびプロバイダとの契約が必要です。簡単に確認しておきましょう。
NTT東日本/NTT西日本と契約
・フレッツ光を利用するために必要です
・開通工事もしてもらいます
プロバイダと契約
・インターネットに接続するために必要です
それぞれ詳しく見ていきます。
NTT東日本/NTT西日本と契約
「フレッツ光」を利用するために、提供会社であるNTT東日本/NTT西日本との契約が必要です。
すでに建物共用スペースまで引き込まれているフレッツ光ですが、契約しなければ使うことはできません。
また、開通工事も必要です。
開通工事は、NTT東西が行ってくれるので、別途こちらから業者などへ頼んだりする必要はありません。
主な工事内容は、共用スペースから部屋までのフレッツ光引き込みや、機器の設置です。
基本的には、工事担当者が家へやって来て作業する派遣工事になるため、立ち会いが必要になります。しかしアパートの設備状況によっては、工事担当者が来ない無派遣工事となり、立ち会い不要となるケースもあります。
プロバイダと契約
インターネットにつなぐには、フレッツ光だけでなく、「プロバイダ」との契約も必要です。
プロバイダとは、インターネットへの接続サービスを提供してくれる事業者です。
イメージで言うと、まず、回線であるフレッツ光というのは、インターネット手前までの道です。この道をインターネットにつなげないと、インターネット上のサイトや動画を見に行くことはできません。
そこで「プロバイダ」が必要になります。プロバイダは、その道をインターネットにつなげてくれる事業者です。
情報の通り道となる回線と、回線をインターネットに接続するプロバイダが揃って初めてインターネットを利用できるというわけです。
光コラボなら光コラボ事業者と契約するだけでOK
光コラボにするなら、「NTT東西との契約」と「プロバイダとの契約」はどちらも不要で、「光コラボ事業者との契約」のみでOKです。
光コラボって?
光コラボとは、他社がNTT東西のフレッツ光を使って提供する光回線サービスです。
2015年2月1日より、NTT東西が自社の光回線である「フレッツ光」をプロバイダなどの事業者へ向けて卸売り提供を開始しました。
そして提供を受けた事業者が「フレッツ光」にいろんなサービスを組み合わせたものを、自社サービスとしてユーザーへ提供するモデルが登場します。
これが「光コラボレーションモデル」、略して「光コラボ」です。また、光コラボを提供する事業者を「光コラボ事業者」と言います。
例えば、
- ソフトバンク光
- ドコモ光
- OCN光
- ビッグローブ光
などはみな光コラボです。
ケータイ会社やプロバイダが光コラボ事業者となり、フレッツ光に様々なサービスをくっつけたものを、「○○光」などのサービス名で自社サービスとして提供しているのです。
フレッツ光対応アパートでも利用できる
光コラボで使用する回線はフレッツ光そのものですので、フレッツ光対応アパートなど、フレッツ光を利用できる環境であれば、光コラボを利用することができます。
「フレッツ光対応」と聞くと、フレッツ光しか利用できないと思っていた人もいるかもしれません。
実は光コラボにすることで、選択肢が広がります。
光コラボはプロバイダ込みがほとんど
先ほど、光コラボとは、フレッツ光にいろんなサービスを組み合わせて提供するモデルであると言いました。
ほとんどの光コラボ事業者は、この「いろんなサービス」の一つとして、プロバイダサービスを提供しています。
そのため、光コラボ事業者との契約1つで、回線(フレッツ光)とプロバイダサービスをまとめて受けることができます。
したがって、光コラボにする場合は、インターネットをするのに必要な契約は、光コラボ事業者との契約だけでOKです。
NTT東西との契約や、別途プロバイダとの契約をしたりする必要はありません。
必要なことをまとめると
「フレッツ光」にする場合
- NTT東日本/NTT西日本との契約
→ フレッツ光を利用するため - プロバイダとの契約
→ インターネットに接続するため
が必要です。
「光コラボ」にする場合
- 光コラボ事業者との契約
が必要です。
光コラボ事業者は、フレッツ光とプロバイダをまとめて提供しているため、別途プロバイダを契約したりする必要はない、ということでした。
どういう流れでやっていくの?
では必要なことがわかったところで、契約の申し込みや工事はどういう流れでやっていくのか、ということを見ていきましょう。
はじめに全体の流れを示すと以下のようになります。
- 申込内容を決める
- 申し込む
- 工事
- 設定
では詳しく見ていきます。
1.申し込み内容を決める
はじめに申し込む内容を決めましょう。
具体的には、まず
- 「フレッツ光」にするのか
- 「光コラボ」にするのか
を決めましょう。それから
- 「フレッツ光」にする場合は、プロバイダを選ぶ
- 「光コラボ」にする場合は、光コラボを選ぶ
というように申し込み内容を決めていきます。
フレッツ光か光コラボかどっちがいいの?
「フレッツ光」か「光コラボ」かどちらが良いかは、それぞれのメリット・デメリットを考慮すると、
- プロバイダを色々試したいなら「フレッツ光」
- キャッシュバックやスマホセット割などで節安するなら「光コラボ」
ということになります。
- 「フレッツ光」のメリット
-
プロバイダを乗り換えることができるのがメリットです。フレッツ光とプロバイダの契約は別々なので、フレッツ光は残したまま、プロバイダのみ別会社へ変更することができます。
通信速度はプロバイダによるところも大きいので、色々なプロバイダを試すことができるのはメリットでしょう。
- 「フレッツ光」のデメリット
- 契約先が2つになるので管理が面倒になります。また、フレッツ光は、もう個人向けの販売には力を入れていないためか、申し込み特典のキャッシュバックがないという点もデメリットです。
- 「光コラボ」のメリット
- 契約先が一つにまとまるので楽というのはもちろん、キャッシュバックなどの申し込み特典が豊富というのもメリットでしょう。また、キャリア系の光コラボでは、スマホとのセット割などの大幅な割引サービスも実施しており、通信費をかなり安くすることができます。
- 「光コラボ」のデメリット
- プロバイダを変更することができない点です。はじめに選んだ光コラボのプロバイダサービスに不満があっても、あとからプロバイダだけ別のものへ乗り換えるといったことができません。
そういうわけで、はじめにまとめた通り、
- プロバイダを色々試したいなら「フレッツ光」
- キャッシュバックやスマホセット割などで節安するなら「光コラボ」
ということになります。
これにより、「プロバイダを色々試せない」という光コラボのデメリットはだいぶ小さくなったかと思います。
フレッツ光にするならプロバイダを選んでおく
フレッツ光にする場合は、プロバイダをどこにするか選んでおきましょう。
プロバイダは、フレッツ光に対応するものであれば自由に選ぶことができます。
しかし、対応プロバイダの数は非常に多く、選ぶのは大変です。
ですので、NTT東西がおすすめしている「プロバイダパック」(NTT西では「with フレッツ」と呼んでいる)に対応しているプロバイダ10社の中から選ぶと良いでしょう。
プロバイダパックとは、フレッツ光の申し込み時にプロバイダも一緒に申し込むことができるプランです。手続きが簡単になる他、プロバイダパックの特典で割引などがあり、お得に利用することができます。
また、「IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6」という通信方式に対応したプロバイダにしておくと、通信速度面に関しては、ほぼほぼ不満の出るようなものにはならないかと思います。
通信速度が遅くなってしまうのは、夜間などの同時利用者が多くなった時の混雑が主な原因ですが、「IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6」では、その混雑するポイントを通らないため、影響を受けることなく安定した通信速度が期待できます。
プロバイダパック/with フレッツの中だと、「OCN」「@nifty」「plala」「So-net」「BIGLOBE」「DTI」「ASAHIネット」が「IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6」に対応しているので、プロバイダ選びが進まない方は、この辺りに絞って選んでみると良いかと思います。
光コラボにするならどの光コラボにするか選んでおく
光コラボにする場合は、どの光コラボにするのか選びましょう。
王道の選び方は、
スマホと「セット割」ができる光コラボにする
です。
ドコモスマホの方は「ドコモ光」、ソフトバンクスマホの方は「ソフトバンク光」、auスマホの方は「So-net光」や「ビッグローブ光」など、スマホと対象ネット回線をセットで利用することで、毎月のスマホ料金などが割引されるというものです。
セット割が適用できれば通信費をかなり抑えることができるので、光コラボを選ぶ際はチェックしてみると良いでしょう。
さらにもう一つ、重視したいポイントが
「IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6」に対応しているか
ということです。
上記プロバイダ選びのところでも言ったのですが、フレッツ光やフレッツ光を使う光コラボでは、夜間などに混雑が原因で通信速度が非常に遅くなってしまうという問題があります。
「IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6」に対応していれば、この混雑点を通らずに通信できるため、混雑による速度低下を回避できます。
プロバイダの変更ができない光コラボ※ですが、「IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6」で通信すれば、現状は速度に関してプロバイダを変えたくなるほどの不満は出てこないかと思います。
ですので、「IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6」対応の光コラボにしておくことをおすすめします。
まとめると、
- 使っているスマホとセット割ができる
- 「IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6」に対応している
上記を満たす光コラボから選択するのがベストでしょう。
2.申し込む
申し込み内容が決まったら、さっそく申し込んでいきましょう。
対面で相談をしながらという方は、家電量販店などで申し込むと良いでしょう。
家でちゃちゃっと申し込みたい方は、公式サイトや代理店サイトから申し込みましょう。
以下には、ネット申し込みの流れをまとめます。
「フレッツ光」にする場合
NTT東西の公式サイトから申し込みができます。
申し込みの流れは、以下のようになります。
- まずは提供状況を確認します。
- 判定結果を見てマンションタイプが利用可能であることを確認します。プラン名に「マンション」と入っていればOKです。
- 判定結果のページからそのままWebで申し込むか、電話で申し込みます。
- Web申し込みの場合は、必要事項などを入力していきます。
- このときプロバイダやオプションサービスも選択します。
- 最後に送信して申し込み完了となります。
「光コラボ」にする場合
各光コラボの「公式サイト」や「代理店サイト」から申し込みができます。
光コラボは、キャッシュバックキャンペーンを実施しているところが多いですが、どこで申し込むかで、もらえる金額は変わってくるため注意しましょう。
比較する際は、金額だけ見るのではなく、キャッシュバックの条件も必ず確認しておきましょう。
どこから申し込むかが決まったら、あとは以下のように簡単です。
- 公式サイトもしくは代理店サイトの申し込みページに必要事項を入力していきます。
- 送信して申し込み完了です。
細かい流れや注意点などは、各サイトで確認しておきましょう。
3.工事
申し込みが完了すると、後日、申し込み内容の確認や工事に関する連絡があります。
- 工事内容がどうなるのか
- 派遣工事なのか無派遣工事なのか
- 工事日はいつにするか
などを決定します。
工事内容は、派遣工事(工事の人が来る)の場合と、無派遣工事(工事の人が来ない)の場合で変わってきます。
それぞれの工事内容は以下のようになります。
※以下は代表的な工事例としてご覧ください。設備状況によっては内容が多少異なったり追加で工事が発生することもあります。
派遣工事となる場合
下記を工事担当者がやっていってくれます。
- アパート共用スペースから部屋までの光回線引き込み
- 引き込んだ先に「光コンセント」を設置
- 回線終端装置(ONU)という機器を設置
以上で工事完了です。
無派遣工事となる場合
すでに部屋まで光回線が来ており「光コンセント」が設置されているかと思います。
回線終端装置が事前に送られてくるので、工事日になったら、自分で回線終端装置と光コンセントを接続します。詳しい方法などは、事前に送られてくる案内に書かれています。
以上で工事完了です。
4.設定などしてインターネット利用開始!
工事完了後、インターネットの接続・設定などをすれば、インターネット利用開始です。
設定などは、送付される案内などに従って進めれば、簡単に行えます。
不安な方は、接続や設定までしてくれるオプションサービスもあるので利用しましょう。
まとめ
最後に、内容を簡単にまとめます。
- 「フレッツ光対応」とは?
- 「フレッツ光対応」とは、フレッツ光がアパート共用スペースまで引き込み済みであり、マンションタイプが利用できる、ということです。
- 確認方法
- フレッツ光対応かどうかは、NTT東日本/NTT西日本のサイトで、住所を選択していくだけで確認できます。プラン名に「マンション」と入っていれば「フレッツ光対応」です。
- ネット開通までに必要なことは?
-
NTT東西との契約と、プロバイダとの契約が必要です。
「光コラボ」にするのであれば、光コラボ事業者との契約のみでOKです。
- 全体の流れ
- まずは申し込み内容を決めましょう。そのあとは、申し込み→開通工事→接続設定→利用開始というように、都度、案内などに従って進めていくだけです。
そういうわけで、
「うちのアパートは、どうやらフレッツ光対応らしい」
という状況の方は、まずは対応状況の確認と申し込み内容決めるところからやっていきましょう。