アパートやマンションで、Wi-Fi環境を作る方法について解説します。
一人暮らしを始める大学生など、
「今まで実家などでは、Wi-Fiが飛んでいて、そのWi-Fiにつないでインターネット使ってたけど、それと同じような感じでWi-Fi環境をアパート・マンションにも作りたい」
といった方向けに、解説しています。
Wi-Fi環境を作るにはどうすれば良いかわからない、という方はぜひ参考にしてみてください。
目次
必要なものは?
Wi-Fi環境を作るには、ざっくりと以下3つが必要になります。
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インターネット契約 まず、インターネットに接続できなければ始まらないので、インターネット契約は必須です。 |
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無線LANルーター Wi-FiでPCやスマホなどを接続するために必要な機器です。 |
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LANケーブル 無線LANルーターを接続するときに必要になります。 |
基本的には、上記を自分で契約・用意する必要があります。
しかし、アパートやマンションなど集合住宅では、オーナーの意向などにより、インターネット環境がすでに備わっていることもあります。
例えば、「インターネット完備」や「インターネット無料」と謳うアパート・マンションです。この場合、インターネット契約は不要です。
中には、建物まるごとWi-Fi環境としているアパートなどもあり、そういった物件では何も用意する必要なく、入居してすぐにWi-Fiを使うことができます。
このように、Wi-Fi環境に必要なものは、建物や設備によって異なるので、以下、建物の状況ごとに、Wi-Fi環境を作るために必要なものを解説します。
ネット完備・無料のアパート・マンションの場合
インターネットはすでに通っており、入居者は新たにインターネット契約や工事をする必要はありません。
ですので、あとは無線LANルーターとLANケーブルを用意し、接続すればWi-Fi環境を作ることができます。
おそらく、インターネット完備や無料のアパート・マンションでは、部屋の壁にLAN差込口が取り付けてあるかと思うので確認してみてください。
LAN差込口の例 | |
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LAN差込口単体のものや、 |
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電源コンセントと一緒についていたりするものもある。 |
このLAN差込口とPCなどをLANケーブルで有線接続すればインターネットを利用できるようになっています。
Wi-Fi環境にするには
この環境でWi-Fiを飛ばして無線接続したい場合は、用意した無線LANルーターとLANケーブルを、以下の図のように接続します。あとはつなぎたいPCやスマホなどに、無線LANルーターのパスワードを入力するなどして設定すれば、Wi-Fi接続となります。
※壁にLANケーブル挿すだけといっても、建物の設備状況などによって、インターネットへの接続方法は異なります。必ず、自分のアパートもしくはマンションでのネット接続方法を先に確認してください。
大抵、インターネット接続方法などが書かれた入居者向けの説明書が用意されているかと思います。説明書には無線LANルーターを使用するときの接続方法や注意点が記載されていることもあります。
説明やそれらしきものが見当たらなければ、管理会社などに電話して確認しましょう。
無線LANルーターをアクセスポイントとして使用する
無線LANルーターとは、簡単に言うと、
・アクセスポイント…Wi-Fi飛ばして無線接続を可能にする
・ルーター…複数の機器のインターネット同時接続を可能にする
の2つが一緒になったものです。
基本的に、ネット完備・無料の集合住宅などで、上記のように無線LANルーターを壁のLAN差込口に接続して使用する場合は、無線LANルーターのルーター機能を停止します。
というのは、大抵、LAN差込口の中、つまり壁の向こう側をたどっていった先に、既にルーターが存在するからです。もし無線LANルーターのルーター機能を有効のまま接続すると、合わせて2重ルーターになってしまいます。
2重ルーターの状態だと、うまく接続できない可能性があります。
また、2重ルーターで建物全体のネット接続に支障が出る恐れもあり、あらかじめ管理会社などから入居者へ向けて注意していることもあります。
ですので、無線LANルーターは、ルーター機能を停止して、アクセスポイントとして使用します。(もしくは単にアクセスポイントを用意して接続します。)
アクセスポイントモードへの切り替え方は、メーカーや機種によって異なるので、詳細は取扱説明書などで確認してみてください。
最近では、RT(ルーター)モードとAP(アクセスポイント)モード(ブリッジモードと言うこともある)を簡単に切り替えできるスイッチが付いていたり、回線状況に応じて自動で切り替わってくれるATUOモードが付いている無線LANルーターもあります。
Wi-Fiにしたがネットに繋がらない場合
無線LANルーターを接続して、Wi-Fiでインターネットしようとしたが、つながらないという場合は、そもそもLAN差込口までネットは通っているのか調べましょう。
入居者向けの接続方法の説明書などに従って、PCとLAN差込口をLANケーブルで直接接続し、PCでインターネットに接続できるか確認してみてください。
ネットに接続できた場合は、無線LANルーターに問題がありそうです。無線LANルーターの電源や設定を確認してみてください。
もし、PCをLAN差込口へLANケーブルで直接接続しても、PCがネットに接続できなかった場合は、部屋までネットが通っていない可能性があるので、アパート・マンションの管理会社などにネット接続方法などを確認してみてください。
LAN差込口が見当たらない場合
インターネット完備(もしくは無料)のアパート・マンションなのに、LAN差込口がない、見つからないという方は、管理会社などに確認しましょう。
LANケーブルで接続するタイプではなく、「全室Wi-Fi対応」や「建物まるごとWi-Fi」といった、無線で接続するタイプのネット完備・無料の物件かもしれません。
その場合は、すでにWi-Fi環境が整っています。そのWi-Fiに接続すればインターネットを利用可能です。
ネット完備・無料ではないアパート・マンションの場合
まずは、インターネットに接続できる環境が必要なので、インターネット契約をしましょう。
主流なのは、
- 光回線を契約する
- モバイルWi-Fiルーターやホームルーターを契約する
の2つです。
光回線を契約する場合
光回線を契約する場合について、Wi-Fi環境を作る方法を解説します。
まずは、光回線を申し込み、回線の引き込み工事をしてもらいます。
工事完了後、無線LANルーターとLANケーブルを用意して接続し、インターネット接続設定をすればWi-Fi環境となります。
※機器の接続手順の詳細などは取扱説明書などで確認してください。
※インターネット接続設定は送られてくる案内などを見ながら自分で行います。
※工事後にインターネットの接続設定までしてくれるオプションサービスなどもあるので、不安な方は利用しましょう。
機器の説明など
- ONU、モデム
-
レンタル機器で、工事の時に作業員の方が設置していってくれます。工事が必要なかった場合には、機器が送られてくるので自分で設置します。
ONUは、光信号と電気信号を相互に変換するための機器で、光回線でインターネットするために必要です。
モデムは、アナログ信号とデジタル信号を相互に変換するための機器で、VDSL方式の場合に、ONUに代わって設置されます。
VDSL方式とは、集合住宅の共用部までは光回線を引くが、共用部から各部屋までは既存の電話回線を用いる方式のことです。つまり、最終的に部屋にあらわれる回線が、電話回線となります。電話回線を通るのはアナログ信号なので、モデムが必要になります。ONUかモデムか、どちらを使うかは、アパートやマンションの設備状況によって決まります。
- ルーター
- 複数のPCやスマホなどを同時にインターネットに接続するために必要な機器です。
- 無線LANルーター
- ルーターに、無線LAN機能が付いたものです。簡単に言うと、Wi-Fiを飛ばして複数のPCやスマホで同時にインターネット接続するための機器です。自分で購入するか、レンタルします。
注意点
光回線の契約プランによっては、ONU(モデム)にルーター機能が搭載されているONU(モデム)一体型ルーターをレンタルする場合があります。
もしONU(モデム)ではなくONU(モデム)一体型ルーターとなる場合は、無線LANルーターのルーター機能を停止して、ルーターが2重にならないようにします。
無線LANルーターを、AP(アクセスポイント)モード(ブリッジモードと言うこともある)にすることで、無線LANルーターのルーター機能を停止します。
無線LANルーターに切り替えスイッチが付いていて、簡単に切り替え可能なものもありますが、PCなどを使った設定が必要なものもあります。
AP(アクセスポイント)モードへの切り替え方詳細は、メーカーや機種によって異なるので取扱説明書を確認してください。
よくわからない、設定とか苦手、という方は、自動で判別して切り替わってくれるAUTOモードが付いている無線LANルーターを購入すると良いです。
以上が、光回線を契約する場合のWi-Fi環境のつくり方になりますが、パッと見で、なかなか面倒くさそうという印象を受けたかもしれません。
光回線を引く場合は、工事が必要になり、すぐにはWi-Fi環境を手にすることができません。
工事とか面倒だ、すぐにWi-Fi使いたい、という方は、次の方法をおすすめします。
簡単でおすすめ!モバイルWi-Fiルーターやホームルーターを契約する
モバイルWi-Fiルーターまたはホームルーターを使ってWi-Fi環境を作る場合について解説します。
とはいっても、モバイルWi-Fiルーターまたはホームルーターを契約するだけでOKなので、非常に簡単です。
モバイルWi-FiルーターモバイルWi-Fiルーターと呼ばれるスマホサイズくらいの端末を使い、電波を使ってインターネットに接続します。PC、スマホなどとインターネット間を無線で仲介します。電波が届く範囲で、持ち運び可能なインターネット環境と言えます。
ホームルーターコンセントに挿すだけで、インターネット環境ができます。電波を使ってインターネットに接続する点はモバイルWi-Fiルーターと同じですが、ホームルーターは持ち運びができません。飛ばすWi-FiがモバイルWi-Fiルーターより強力です。
上記のように、モバイルWi-Fiルーターやホームルーターは、電波をキャッチし、Wi-Fiを飛ばします。つまり、モバイルWi-Fiルーターもしくはホームルーターを用意した時点でWi-Fi環境ができてしまいます。
具体的には、モバイルWi-Fiルーターもしくはホームルーターを契約し、機器が届けばあとは電源を入れて簡単な設定をするだけでOKです。
手っ取り早くWi-Fi環境を手に入れることができるので、
「インターネットのことはよくわからない」
「できるだけ早くWi-Fi環境がほしい」
「工事は大変そう、したくない」
という方に特におすすめです。
まとめ
インターネット完備・無料のアパート・マンションの場合
無線LANルーターとLANケーブルを用意して、壁のLAN用モジュラジャックに接続すればWi-Fi環境となります。もしくは、建物全体で、すでにWi-Fi環境が備わっているアパート・マンションもあります。
インターネット完備・無料ではないアパート・マンションの場合
光回線を契約する場合は、無線LANルーターとLANケーブルを用意しましょう。それらを接続すればWi-Fi環境となります。
モバイルWi-Fiルーターもしくはホームルーターを契約する場合は、モバイルWi-Fiルーターもしくはホームルーターを用意し、電源を入れて設定後、Wi-Fi環境となります。